初めてのレンタルサーバー選びでは、サーバーのスペックやオプション、価格帯はどのくらいがいいのか分からないことが多くあると思います。
このページでは、WordPressでブログを書きたいと思っている人が初めてサーバーを借りる上で、必要となるオプションやスペックについて解説してみたいと思います。
サーバーには運用目的によっていくつかのタイプがある
サーバーには運用目的に応じて、いくつかのタイプがあります。
大きく分けるとレンタルサーバー、マネージドサーバー、VPS・ホスティングといった4つのタイプになります。
WordPressを使ってブログを運用したいのであればサーバーの運用形態は「レンタルサーバー」で良いと思います。
レンタルサーバーと他の運用形態の違いについての解説は長くなるので、別ページで解説します。
価格帯は5,000円から15,000円くらいが良い
最初は年間使用料5,000円から15,000円前後のプランがおすすめです。
レンタルサーバー業者も初心者にはこの価格帯をおすすめしていることが多いです。
ですが料金とサーバーの能力、快適性はある程度比例するものと考えてください。
カタログスペックが良くても、実際のレスポンスが良いかは料金に比例する部分が大きいのです。
レンタルサーバーを検討するときにディスク容量や通信量などの数字を比較することが多いと思いますが、それらも重要な情報ですが、そもそも一台(または複数)のサーバーを何人でシェアしているか、シェアしているユーザーにヘビーユーザーがいるのか、という情報は通常は公開されていません。
目に見えない快適性が価格に反映されていると思ってください。
WordPressの簡単インストールはほぼ必須オプション
簡単インストールというオプションは、コントロールパネルから簡単にWordPressをインストールすることができるオプションです。
サーバー業者によって若干オプション名が違うので気を付けてください。
通常、WordPressを使い始めるにはサーバーに対して、WrodPressのインストール、データベースの作成、初期設定など専門的な知識が必要なのですが、初心者の方には少し難しいため、このオプションがあると非常に便利です!
というわけで、WordPressの簡単インストールができるオプションは必須と致します。
手動でWordPressをインストールできる方でも、このオプションを使った方が早いです。
ドメイン登録も必須オプション
主要なレンタルサーバー業者ではどこもドメイン登録が可能です。
ドメインの登録件数に上限を設けている業者もありますので気を付けてください。
通常のブログであれば、ドメインは10個くらい登録できれば問題ないですが、
ペラサイトを数百件運用したいと考えているのであれば、ドメイン数の上限がないプランが良いと思います。
将来的に考えるとプラン変更ができた方がいい
実は凄く大切なオプションとして上位プランへの移行可能(プラン変更可能)があります。
ブログの運営が上手く行ってお客さんが増えたら、サーバーも増強したくなるものですが、サーバーを引っ越すとなると、ブログの全データ、ドメインやSSLの移行手続きなどかなりめんどくさい作業が発生します。
特にWordPressの引っ越しはかなり面倒な作業で、引っ越し専門業者もいるくらいなんです。
こういったときに、ちゃちゃっと上位プランに移行するだけで、解決してくれたら嬉しいですよね。
最初は小さく初めて、うまく行ったらスケールアップする。
以前は、こういったスケールアップはクラウドサーバーしかできなかったのですが、近年はレンタルサーバーでも行えるようになってきており、現代のレンタルサーバーとの付き合い方だと思います。
サポートはメールだけでも良いが、もっと大切なのはメジャーな業者を選ぶこと
サポートの有無はとても重要ですが、ここはメールサポートだけでも十分ですね。
それよりも重要なのは、そのサーバーで起きた不具合をネットで調べて解決できるかです。
そのためにも、メジャーなレンタルサーバー業者や、何年も営業している業者が安心です。
そういったサーバーは利用者数も多いので、不具合が起きてもネットで検索すれば答えが見つかることも多いのです。
というわけで、サポートはメールだけでも大丈夫ですが、メジャーなサーバー業者を選びましょう。
PHPはバージョンの違いで速度が3倍になる
WordPressはPHPといプログラムで動いているので、サーバーがPHPに対応していることは必須条件です。
とはいえ近年のレンタルサーバーでPHPが動かないサーバーは殆どありません。
ですが、PHPのバージョンには気を付けてください。
バージョン5よりもバージョン7の方が、PHPの動作スピードが約3倍くらい早いのです!
PHPの動作速度が速いということはページの表示までの時間が短いということになりますので、SEO的にも有利になるでしょう。
WordPressのプラグインなどによってはバージョン5にしか対応していないものもありますので、理想はバージョン5とバージョン7を切り替えられるプランが良いでしょう。
データベースはMySQLが使えれば良い
WordPressでは記事のデータなどをデータベースに保存しています。
データベースとは安全かつ高速にデータ(ブログの記事)の出し入れするための、ソフトウェアのようなものです。
詳しい説明は割愛しますが、MySQLが利用できれば大丈夫です。
MySQLの他にも、mariaDB、PostgreSQL、SQLiteなどに対応しているサーバーもあると思いますが、現在の所まだMySQLがスタンダードです。
データベースの相性については、サーバーオプションに「WordPressの簡単インストール」がついていれば、業者側で動作確認していると思うので、さほど気にしなくても大丈夫でしょう。
ストレージ容量の必要目安について
必要となるストレージ容量ですが、ブログの運営だけで言えば、10GBもあれば十分です。
現在のレンタルサーバーはエントリープランでも200GBくらい容量がありますので余裕です。
WordPress本体の容量は100MBちょっとで、ここに画像データが追加されても、中規模ブログサイズだったら10GB以内に収まるでしょう。
ただし、ブログを自動でバックアップを取っている場合は、ある程度余裕があった方が良いでしょう。
これは余談ですが、2020年のレンタルサーバー事情において、ストレージがHDDというのは正直時代遅れと言えるでしょう。
実際にはSSDでもHDDでもページが表示される速度は殆ど違いはないと思いますので、速度の事だけで言うならストレージはどちらでも良いでしょう。
ですが、ストレージオプションからわかるのは、その事業者が新しいハードウェアを積極的に導入している事業者かどうかです。
主要プランのストレージがHDDしか選択肢がない業者は、選ばない方がいいと言えるでしょう。
転送量の目安について
プランによって一日もしくは一月の転送量の上限が設定されています。
ご自分のブログでは画像しか扱わない、もしくは動画も扱うけどYouTubeを利用するのであれば、さほど気にする必要はありません。
必要転送量の目安ですが1ページが1MBだとすると1,000PVで転送量は1GBです。
100,000PVで100GBとなります。
ウェブサーバーソフトウェアはApache以外がおすすめである
サーバーのOSといえば、LinuxやUnix、もしくはWindowsだったりしますが、見落としがちなのがウェブサーバーソフトについてです。
ウェブサーバーソフトといえばApacheと言われる程、レンタルサーバーのウェブサーバーソフトウェアはApacheが主流ですが、近年はnginx(エンジンエックス)やLiteSpeed(ライトスピード)が台頭してきています。
これらのウェブサーバーソフトウェアは、いくつかのベンチテストでApache以上の性能を示しています。
少ないサーバーリソースを効率よく使うために、サーバー業者側も苦心しているところでしょう。
Apacheがダメというわけではありませんが、こういった業者側の努力もサーバー選びのポイントになります。
自動バックアップ機能があればかなり安心
サイトを運営していると突然ブログ記事が消えたりアクセス出来なくなることがあります。
もしバックアップなしで、全部の記事が消えたら大損害です。
会社なら倒産するような危機です。
そうならない様に、手動でバックアップをとるわけですが、それに加え自動でバックアップをとっていてくれたら心強いですよね。
レンタルサーバーの自動バックアップ機能は一日一回、別のストレージにサーバーデータを保存してくれる機能です。
万が一、手動バックアップ漏れがあっても、復元できるので心強いです。
復元が有料のプランもありますので、各自確認してみてください。
無料SSLは使えた方が良い
SSLとは暗号化通信技術の一つで「SSL対応サイト」というだけでSEOの評価が上がります。
ログイン機能を伴うサイトを設計する場合、SSL非対応サイトにアクセスするとブラウザに「保護されていない通信」と表示されてしまうので、ユーザーに不安を与えてしまいます。
本来はSSLはレンタルサーバーとは別に契約するのが一般的なのですが、近年ではレンタルサーバーがSSLサーバーを兼ねる傾向があります。
一般的なSSLサーバーとの契約は手続きと設定が面倒なので、これが無料でしかも簡単に設定できるのはとても便利なことです。
サイトをSSLに対応させるとサイトURLの冒頭部分が「http:」から「https:」になるため、サイトのURLが変ってしまいます。
SSL化を検討しているのであれば、ブログ開始の早い段階で行っておいた方が良いでしょう。
できればWordPressをインストールする前がおすすめです。
すでにWordPressを運用開始しているのであれば、何か所か設定を変更してサイトをSSLに対応させる必要があるのですが、少し難しいのでプラグインを使ってSSLを有効化するのが簡単です。
快適性は料金に比例する
ここまでカタログスペックについて書いてきましたが、実はカタログスペックに載らない数値というものがいくつかあります。
例えば、一つのサーバーを何人で共有しているか、回線の太さ、通信速度、ディスクのI/O上限、リクエストからページが表示されるまでの時間などがそれに当たります。
これらの情報は快適性に直結するのですが、深堀りせずに快適性は価格に応じてと覚えて頂ければと思います。
そういった意味でも、上位プランへ変更ができるオプションはあった方が良いです。
まとめ
初めてレンタルサーバーを選ぶ上で、あった方が良いオプションや、ストレージ容量の目安など解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?
僕自身20年ほど前から色んなレンタルサーバーを借りていますが、最近のサーバーは低価格でもスペック的には十分なものが多く、単純にカタログスペックの数字だけ追うようなサーバー選びの時代は終わったと考えています。
もちろん数字が多い方がいいのでしょうけど、例えば「ストレージがSSDの200GB」というプランがあったとしても、実際に200GBを全部使い切るということはまずないでしょう。
レンタルサーバー業者もこういった数字の比較だけではユーザーが選んでくれないということは分かっているので、ニーズに応じた様々なオプションを用意してユーザーの獲得に苦労していることが伺えます。
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