導入前に知っておきたい「Square」の基本とメリット
Square(スクエア)は、スマートフォンやタブレットを使ってクレジットカードや電子マネー決済を受け付けられるキャッシュレス決済サービスです。専用の決済端末とアプリを組み合わせることで、レジ機能から売上管理までを一元化できます。導入コストが低く、初めてキャッシュレス決済を導入する個人事業主にも人気があります。
Squareとは何か?
Squareは米国発の決済プラットフォームで、日本では2013年にサービス提供を開始しました。スマホやタブレットに専用リーダーを接続するだけで、カード決済や電子マネー決済ができる点が特徴です。アプリ内で商品の登録・在庫管理・レシート送信なども行えるため、カフェや美容室、イベント出店など、規模を問わず幅広く利用されています。
クラウド型のPOSレジとしても使えるため、別途レジ機器を購入する必要がないのもポイントです。決済手数料は業界標準レベル(3.25〜3.95%程度)で、月額固定費は不要。必要なのは端末代とインターネット環境のみです。
導入メリットと注意点
Squareを導入する最大のメリットは、「シンプルで早い」ことです。最短で当日中に登録が完了し、翌日には決済を受け付けられるケースもあります。また、同社が提供する入金サービスはスピーディーで、売上の入金が最短翌営業日というのも特徴です。
一方で、審査に通過しないと利用を開始できない点や、オンライン決済の設定には追加手続きが必要などの注意点もあります。導入前に「自分の業種で使えるか」「対応カードブランドに問題がないか」を必ず確認しておきましょう。公式サイトの最新情報も合わせてチェックしておくことをおすすめします。
ステップ1:アカウント登録と必要情報の準備
Squareを使い始めるには、まず公式サイトから無料アカウントを作成します。登録自体は10分ほどで完了しますが、事前に必要情報を揃えておくことでスムーズに進められます。この章では、登録に必要な項目と実際の入力手順を初心者向けに解説します。
登録に必要な情報一覧
Squareアカウントを作成する際には、次のような情報が求められます。
- 事業者名・店舗名(屋号でも可)
- 代表者の氏名・生年月日
- メールアドレス・電話番号
- 銀行口座情報(売上の入金先)
- 業種・取扱商品などの概要
これらは審査や本人確認に使用されるため、正確に入力することが重要です。特に銀行口座は個人名義・法人名義のいずれかで登録できますが、申請内容と一致していないと入金が遅れる場合があります。開業したばかりの方は、まず屋号付き口座の準備をおすすめします。
登録手順を画面イメージで解説
1. 公式サイトにアクセスし、「無料で始める」ボタンをクリックします。
2. メールアドレスとパスワードを入力し、利用規約に同意して「次へ」を選択します。
3. 屋号・所在地・業種などの基本情報を入力します。
4. 本人確認書類(運転免許証など)をアップロードします。
5. 銀行口座情報を登録します。
以上で仮登録が完了し、Square側の審査が開始されます。入力内容に不備がなければ、通常1〜2営業日で審査が完了します。メールで結果が届くので、承認後にアプリの初期設定へ進みましょう。
ステップ2:審査・口座設定・利用開始の流れ
Squareのアカウント登録が完了すると、次は「審査」と「口座設定」のステップに進みます。Squareでは安全な決済環境を維持するため、すべての事業者に対して審査が行われます。ここをスムーズに通過できるよう、必要なポイントを押さえておきましょう。
審査のポイントと期間
Squareの審査は、主に以下の3点を基準に行われます。
- 入力された事業情報の整合性
- 業種がSquareの利用規約に準拠しているか
- 本人確認書類の内容と登録情報の一致
一般的には1〜2営業日以内に審査結果が通知されます。ただし、業種や申請内容によっては追加の確認が必要になる場合もあります。メールを見落とさず、Squareからの連絡を随時チェックしましょう。
審査に通過しなかった場合は、再申請が可能です。その際は、入力ミスや口座名義の不一致がないかを確認して再提出します。特に「屋号付き口座」や「個人名義口座」の表記が異なる場合は注意が必要です。
入金口座の設定と確認事項
審査が承認されると、次に売上入金用の銀行口座を設定します。Squareの管理画面またはアプリから「口座情報」メニューを開き、次の項目を入力します。
- 金融機関名・支店名
- 口座種別(普通・当座)
- 口座番号・名義人名
登録後、Square側で口座確認が行われます。確認が完了すると、決済売上の入金が有効になります。入金は最短で翌営業日に反映されるため、現金回収のタイムラグを最小限に抑えられます。
入金サイクルや手数料率は変更される場合があるため、最新情報はSquare公式サイトで確認しておくと安心です。
ステップ3:決済端末・POSアプリのセットアップ
審査と口座登録が完了したら、実際に決済を行うための端末とアプリを準備します。Squareでは、スマートフォンやタブレットに接続して使うリーダー端末と、無料で利用できるPOSアプリを提供しています。ここでは導入時の流れと設定ポイントを解説します。
主な端末・選び方
Squareが提供する主要端末は以下の2種類です。
- Square リーダー:コンパクトなBluetooth接続型で、スマホやタブレットと連携してクレジットカード・ICカード決済が可能。
- Square ターミナル:レシート印刷機能付きのオールインワン端末で、Wi-Fi接続のみで独立稼働可能。
初めて導入する方には、手軽に使える「Square リーダー」がおすすめです。端末価格も比較的安価(1万円前後)で、店舗・イベント・出張販売など柔軟に活用できます。
アプリ・周辺機器の初期設定
Square POSアプリは、App StoreまたはGoogle Playから無料でダウンロードできます。インストール後、アカウントにログインして次の設定を行いましょう。
- 端末のBluetoothをオンにし、Squareリーダーを接続。
- 店舗情報・営業時間・税率を設定。
- 商品を登録し、価格やカテゴリーを入力。
- テスト決済で通信・印刷が正常に動作するか確認。
レシートプリンターやバーコードスキャナーなどの周辺機器を追加する場合は、Square公式の動作確認済みリストを参照しましょう。初期設定を丁寧に行うことで、決済トラブルを未然に防ぐことができます。
ステップ4:販売・決済を開始する前のチェックリスト
Squareの初期設定が完了したら、いよいよ販売・決済をスタートできます。ただし、運用を始める前に最低限のチェックをしておくことで、トラブルを防ぎスムーズに営業を始められます。この章では、商品登録・価格設定・テスト決済など、スタート前の重要ポイントを整理します。
商品登録・価格設定・税区分
Square POSアプリでは、商品をカテゴリごとに登録できます。各商品の価格・税率・在庫数を事前に入力しておくことで、会計時の操作を簡略化できます。特に軽減税率の対象商品を扱う場合は、税区分を正しく設定しておくことが重要です。
登録のコツとしては、次の3点があります。
- 人気商品や定番メニューを上位に配置しておく
- カテゴリーごとに色分けしておく
- 税込・税抜表示を統一して誤差を防ぐ
Squareの「商品ライブラリ」機能を使えば、一括編集も可能です。登録内容をExcelなどにバックアップしておくと安心です。
テスト決済・返金手順・安全運用
営業開始前には、必ずテスト決済を行いましょう。Squareでは実際に少額(100円など)を決済して、通信・入金・レシート送信までの流れを確認することが推奨されています。特にイベント出店などモバイル環境で使う場合、通信環境を事前チェックしておくと安心です。
また、返金が必要な場合の手順も確認しておきましょう。Squareアプリ内の「取引履歴」から対象取引を選び、「返金」ボタンをタップすれば即時処理が行われます。現金での返金は推奨されません。必ずアプリ経由で対応しましょう。
安全運用のポイントは「不審なカード決済を避ける」こと。高額な取引や初回利用の顧客からの決済には、本人確認(身分証や連絡先確認)を併用するのがベターです。
導入後の運用Tips&トラブル回避策
Squareの導入後は、決済だけでなく売上管理・レポート分析までを活用することで、ビジネス改善のヒントを得られます。さらに、日常の運用で発生しやすいトラブルを事前に把握しておくことで、ストレスの少ない運用を実現できます。
売上レポート活用と分析のヒント
Squareでは、管理画面から「売上レポート」を自動で閲覧できます。期間別・商品別・支払い方法別に集計できるため、どの商品が売れているか、どの時間帯が繁忙かを把握できます。これを定期的に確認することで、仕入れやスタッフシフトの最適化につながります。
また、CSV形式でデータをエクスポートできるため、会計ソフトやExcelでの経理処理にも便利です。数字が苦手な方でも、グラフ表示を見ながら把握できる点がSquareの強みです。
売上分析を「毎週1回」「月末締め」で定期的に行うルールを作ると、長期的な改善サイクルを回しやすくなります。
よくあるトラブルと対策
導入初期によくあるトラブルには、以下のようなものがあります。
- Bluetoothが切断されてリーダーが認識されない
- アプリが最新バージョンでなく動作が不安定
- 入金が遅れているように見える(実際は入金日サイクルの違い)
これらはほとんどが「設定」や「通信」の確認で解決可能です。定期的にアプリと端末を最新状態に保ち、通信が安定する環境(Wi-Fi推奨)で運用することが大切です。
トラブルが発生した場合は、Squareサポートセンター(チャット・電話)を活用しましょう。ログイン後の管理画面からサポート履歴を確認できるため、同じ問題を繰り返す心配も減ります。
よくある質問(FAQ)
最後に、Square導入時によく寄せられる質問をまとめました。実際の導入現場で多いトラブルや疑問点をもとに、初心者の方が安心して運用できるよう整理しています。
審査に落ちた場合どうすれば?
Squareの審査に落ちた場合でも、再申請が可能です。まずは登録内容を再確認し、誤字脱字や名義不一致がないかをチェックしましょう。特に銀行口座名義・業種分類の誤りが原因で審査に通らないケースが多く見られます。
再申請時には、事業内容をできるだけ具体的に記載するのがポイントです。たとえば「販売業」ではなく「ハンドメイド雑貨の店頭販売」など、運用実態がわかる説明にすることで通過率が上がります。Square側の審査方針は時期によって変更されることがあるため、最新情報は公式ヘルプセンターを確認しましょう。
手数料・入金サイクルの仕組みは?
Squareの決済手数料は、取引内容に応じて3.25〜3.95%の範囲で設定されています。具体的には、タッチ決済・ICカード決済・QRコード決済などで若干の差がありますが、いずれも月額固定費は不要です。使った分だけ手数料が発生するシンプルな仕組みです。
入金サイクルは「最短翌営業日」。平日の営業日に決済された売上は、原則翌営業日に登録口座へ自動で振り込まれます。入金日が祝日や週末に重なる場合は翌営業日に繰り越されます。振込スケジュールは管理画面の「レポート」からも確認可能です。
端末を複数店舗で共有できる?
はい、Squareアカウント1つで複数の端末や店舗を管理できます。「チーム管理」機能を使えば、スタッフごとの権限設定も可能です。売上は店舗別・スタッフ別に自動集計されるため、複数拠点を持つ事業でも効率的に運用できます。
ただし、複数端末で同時ログインする場合は、通信状況やアプリバージョンを統一しておくことをおすすめします。設定の不一致があると、取引データが一時的に同期されないケースもあります。
レシートや領収書の発行は可能?
Square POSアプリでは、決済完了後にレシートを自動発行する機能があります。電子レシート(メール送信)または紙レシート(プリンター連携)のいずれかを選択できます。紙レシート対応機器は、Square公式サイトの動作確認済みプリンターリストを参照してください。
また、領収書を個別に再発行することも可能です。アプリの「取引履歴」から対象を選択し、「レシート再送信」をタップするだけで対応できます。
導入後のサポートはどこで受けられる?
Squareでは、公式サポートセンターでチャット・メール・電話の3つの窓口を提供しています。管理画面右上の「ヘルプ」ボタンからアクセスでき、トラブルシューティングや設定変更の相談も可能です。多くの質問は公式ヘルプ記事で自己解決できますが、営業時間内であれば担当者とのリアルタイム対応も受けられます。
特に決済に関する不具合や審査関連の問い合わせは、本人確認が必要なため、アカウント情報を用意しておくとスムーズです。
以上で「Squareの導入手順|初期設定から決済開始まで」は完了です。初期登録から端末設定・運用まで一通り理解できれば、誰でもキャッシュレス決済を安全に導入できます。導入後も、売上データの分析やレポート機能を活用して、日々の業務を効率化していきましょう。
SquareとStripeのどちらの決済サービスが良いか比較している記事がありますのでよかったら読んでみてください。



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