クーポンの作り方と運用例|Stripeの割引設定ガイド
スクリーンショットを使ってクーポンの作成手順と決済フォームでの使い方について解説してみたいと思います。
運用上の注意点などもまとめてあります。
Stripeのクーポン機能とは何か
Stripeのクーポン機能は、あらかじめ決めた割引ルールを決済時に適用できる仕組みです。
ECサイトやオンライン講座などで「期間限定割引」「初回限定キャンペーン」を行いたい場合、このクーポン機能を使うことで、価格を直接変更せずに割引を提供できます。
ポイントは、価格(Price)そのものを変えないという点です。
あくまで「通常価格はそのまま、条件を満たした場合のみ割引する」という設計になるため、キャンペーン終了後に元の価格へ戻す作業が不要になります。
クーポンでできること・できないこと
できることはシンプルです。
- 定額割引(例:1,000円OFF)
- 割合割引(例:20%OFF)
- 有効期限・利用回数の制限
- 単発決済/サブスク決済への適用
一方で、クーポンは自動で切り替わる複雑な価格ルールには向いていません。
あくまで「わかりやすい割引」を安全に提供するための機能、と捉えるのが実務的です。
クーポンと価格変更の違い
キャンペーン期間中だから価格を下げたい場合、通常価格を下げるよりも、クーポンを作成して適応する方がスマートです。
クーポンを使う最大のメリットは、通常価格の軸を崩さずに済むことです。
頻繁に価格を変更すると、後から売上分析やプラン設計が分かりにくくなるため、キャンペーン用途ではクーポンが適しています。
領収書にも○○クーポンが適応されたと表示されますので、管理しやすくなります。
高齢者やITに不慣れな顧客にとって、クーポン入力は購入の妨げになります。
そういった場合は、クーポンを適応済みのPayment Linksを作成することも可能です。
単発決済とサブスクでの使われ方の違い
単発決済では、クーポンは「その1回限りの割引」として使われることがほとんどです。
一方、サブスクリプションでは「初月だけ割引」「最初の◯回分だけ割引」といった形で使われます。
ここを理解せずに設定すると、ずっと割引され続けてしまうケースもあるため、サブスクで使う場合は特に注意が必要です。
この点は後半の章で詳しく解説します。
Stripeでクーポンを作成する基本手順
クーポン作成は、Stripeダッシュボードから数分で完了します。
操作自体は難しくありませんが、どの項目が重要かを理解しているかどうかで、運用の安全性が大きく変わります。
ダッシュボードからのクーポン作成フロー
基本的な流れは以下の通りです。
- Stripeダッシュボードにログイン
- メニュー内の「商品カタログ」から商品ページへ、「クーポン」タブをクリックし、クーポンの作成ボタンクリック
- クーポンの割引内容・期間・回数を設定
- 保存して利用開始
一度作成したクーポンは、Checkout、Payment Links、サブスク作成時などで選択して使います。
では、スクショを見ながら進めてましょう。

ダッシュボードの左メニュー内の「商品カタログ」から商品ページへ移動し「クーポン」タブをクリックしてください。
ページが移動しますのでクーポンの作成ボタンクリック。
今回は、新春セールというキャンペーンで使う、5,000円以上お買い上げでご利用いただける、1,000円引きクーポンを作成したいと思います。

クーポンの内容を設定するフォームが表示されますので必要な部分を入力します。
- 名前:領収書などに表示されるのでわかりやすい名前にしましょう
- タイプ:1000円引きにしたいので、割引額を選択し、金額に1000と入力
- 引き換え回数制限:セールやキャンペーン期間専用のクーポンであれば設定。 常に使えるクーポンではればオフにしてください。
- コード:クーポンコードは複数発行でき、それぞれに属性を付与できます。 コードは任意の値を設定できますが、空白ならランダムな値が生成されます。 今回は新春セールなので、「NEWYEAR2026」と指定。
- このコードの引き換え回数制限:コードが何回使えるか指定します。 回数制限しない場合はチェックを外しておきます。
- 有効期限を追加:有効期限は指定しなければ、上の引き換え回数制限で入力した期間が終了時に終了になります。
- 最小注文額が必要です:最小注文額は5,000円にしています。 これで5,000円以上のお買い物時に有効なクーポンになります。
割引タイプ(定額/割合)の選び方
割引タイプは大きく2つです。
- 定額割引:金額が決まっている(例:500円OFF)
- 割合割引:価格に応じて変動(例:20%OFF)
実務では、
- 価格帯がバラバラ → 割合割引
- 単一商品・単一価格 → 定額割引
という使い分けが安全です。
特に高額商品で割合割引を使う場合は、想定以上の割引額にならないかを事前に必ず確認しましょう。
有効期限・回数制限の設定ポイント
初心者の方が必ず設定すべきなのが、期限と回数制限です。
- 有効期限:キャンペーン終了日を明確にする
- 利用回数:1回限定/◯回までを指定する
これを設定しないと、「いつまでも使える割引」になってしまい、意図しない値引きが続く原因になります。
特にサブスクと組み合わせる場合は、割引の適用回数(何回分か)を必ずチェックしてください。
クーポン作成で気を付ける点
気を付ける点は「クーポンの引き換え回数を制限する」と「このコードの引き換え回数を制限」のオプションです。
どちらも使用回数を制限するための設定で 「クーポンの引き換え回数を制限する」はクーポンの全体の使用回数 を、
「このコードの引き換え回数を制限」はコード単位の使用回数を設定するオプションです。
例えば「クーポンの引き換え回数を制限する」に「3」を設定するとクーポン全体で3回しか使えません。
3人が使ったらクーポン終了です。
- 「クーポンの引き換え回数を制限する」 = クーポンあたりの使用回数制限
- 「このコードの引き換え回数を制限」 = コードあたりの使用回数制限
クーポン設計で考えるべきこと
クーポンは「設定方法」よりも、設計の考え方が重要です。
ここを曖昧にしたまま作ると、「とりあえず割引しただけ」で終わり、売上にも継続率にもつながりません。
「誰に・いつ・何を割引するか」を整理する
まず考えるべきは、次の3点です。
- 誰に:新規顧客か、既存顧客か
- いつ:期間限定か、特定タイミングか
- 何を:全商品か、特定プランか
たとえば「新規向け初回限定割引」と「既存会員へのお詫びクーポン」は、同じ割引でも目的がまったく違います。
目的が違えば、割引率・期間・回数制限も変わるのが自然です。
初回限定・期間限定・会員限定の考え方
実務でよく使われるのは、次の3パターンです。
- 初回限定:購入ハードルを下げる
- 期間限定:今すぐ行動してもらう
- 会員限定:継続・満足度を高める
重要なのは、「全部を同時にやらない」ことです。
割引を重ねすぎると、どれが効果的だったのか分からなくなります。
値引きしすぎを防ぐための基準
割引率は感覚で決めがちですが、次の基準を持っておくと安全です。
- 原価・広告費を引いても赤字にならないか
- 割引後の価格でも「安売り感」が出すぎないか
- 通常価格に戻したときに不満が出ないか
特にサブスクリプションでは、初回だけ安くして、その後も続けてもらえるかという視点が欠かせません。
また、大きく割引する場合、数日前から「○○キャンペーンを行います」と告知しておくことで、直前に通常価格で購入してくださったお客様の不満を減らすことができます。
こういったところをおろそかにすると返品やクレーム対応につながりますので、常に顧客に親切な対応を心がけましょう。
よく使われるStripeクーポンの運用パターン
ここからは、実際の運営現場でよく使われているクーポン運用例を紹介します。
どれもシンプルですが、効果が出やすいパターンです。
期間限定キャンペーン用クーポン
もっとも分かりやすいのが、期限を切ったキャンペーン割引です。
- セール期間を明確にできる
- 申込みを後回しにされにくい
- 終了後の管理が楽
この場合は、必ず有効期限を設定し、終了後に自動で使えなくなるようにしておくのが基本です。
サブスク初月割引・初回割引
オンライン講座や会員制サービスでは、初月のみ割引がよく使われます。
- 申込みの心理的ハードルを下げる
- サービス体験の入口を作れる
- 長期継続につながりやすい
ただし、割引が「何回分」適用されるかを誤ると、
ずっと安いまま課金されてしまうリスクがあります。
サブスク設計全体との関係は、
サブスク料金モデルの考え方をまとめた解説記事
もあわせて確認しておくと理解しやすくなります。
既存顧客向けのフォロー割引
解約防止やトラブル対応として、個別にクーポンを配布するケースもあります。
- システム障害のお詫び
- 長期利用者への感謝
- プラン変更時の調整
この場合は、利用回数を1回限定にするのが鉄則です。
善意で出した割引が、想定外の継続値引きにつながらないよう注意しましょう。
サブスクリプションとクーポンを組み合わせる際の注意点
サブスクリプションにクーポンを使う場合、単発決済よりも確認すべきポイントが増えます。
ここを理解せずに設定すると、「思ったより売上が伸びない」「割引が止まらない」といった事態になりがちです。
割引が「何回分」適用されるかの確認
サブスク向けクーポンで最重要なのが、割引の適用回数です。
- 初回のみ
- 最初の◯回分
- 無制限(=ずっと割引)
特に注意したいのが「無制限」のまま使ってしまうケースです。
初月割引のつもりが、解約されるまで永久に割引される、という事故は実務でもよくあります。
プラン変更時に起きやすいトラブル
サブスク運営では、後からプランを変更することも珍しくありません。
その際、クーポンがどう扱われるかを把握していないと、
- 割引が想定外の金額になる
- 請求タイミングがズレる
- 顧客から問い合わせが増える
といった問題が起こります。
特に注意が必要なのが、プラン変更時の差額調整です。
この仕組みを誤解したままクーポンを併用すると、請求が複雑になります。
差額調整の考え方は
サブスク変更時の差額調整(proration)の解説記事
で一度整理しておくのがおすすめです。
差額調整(proration)との関係
クーポン自体はシンプルでも、
「割引 × 差額調整 × 課金タイミング」が重なると、挙動が分かりにくくなります。
実務では、
- クーポンはできるだけ単純に
- プラン変更が多い場合は割引を控えめに
といった運用ルールを先に決めておくことで、トラブルを防げます。
Payment Links・複数プランでのクーポン活用
クーポンは、Payment Links や複数プラン設計とも相性が良い一方、
設計を誤ると「思った通りに使われない」原因にもなります。
Payment Linksでクーポンを使う場合の考え方
Payment Linksでは、決済ページを共有するだけで販売できるのが強みです。
そこにクーポンを組み合わせると、
- SNSやメールで簡単にキャンペーン展開できる
- コード入力で特別感を出せる
といったメリットがあります。
ただし、誰でも使えるリンク+誰でも使えるクーポンにすると、
意図しないユーザーまで割引対象になる点には注意が必要です。
複数プランに同一クーポンを使う際の注意
ライト・スタンダード・プレミアムなど、複数プランがある場合、
同じクーポンをすべてに適用するかどうかは慎重に判断しましょう。
- 割合割引 → 高額プランほど割引額が大きくなる
- 定額割引 → 低価格プランでは影響が大きくなる
「どのプランを一番売りたいのか」を軸に考えると、判断しやすくなります。
設計を間違えやすいポイント
よくある失敗は次の3つです。
- クーポンを作りすぎて管理できなくなる
- どのキャンペーン用か分からなくなる
- 使われているか検証していない
クーポンは増やすほど便利になりますが、同時に管理コストも増えることを忘れないようにしましょう。
クーポン運用でよくある失敗と対策
クーポンは便利な反面、運用を誤ると売上や信頼を損なう原因にもなります。
ここでは、実務で実際によくある失敗と、その対策を整理します。
割引が止まらない・想定より安くなるケース
もっとも多いのが、割引の終了条件を設定し忘れるケースです。
- 有効期限を入れていない
- サブスクで適用回数を制限していない
この状態だと、運営側が気づくまで割引が続いてしまいます。
対策としては、
- 作成時に「期限・回数」を必ずチェック
- テスト決済で一度挙動を確認
という2点を習慣化するのが有効です。
クーポン乱発による価格崩れ
「売れないから割引」「反応が鈍いからまた割引」を繰り返すと、
通常価格で買ってもらえなくなります。
これを防ぐためには、
- クーポンの目的を毎回メモしておく
- 同時期に複数の割引を走らせない
といった運用ルールを決めておくことが重要です。
運営側が管理しきれなくなる問題
クーポン数が増えるほど、
- どれが有効か分からない
- どのキャンペーン用か分からない
という状態になりがちです。
クーポン名に
「2026_SPRING_FIRST_MONTH」
のような用途が分かる命名ルールを付けるだけでも、管理はかなり楽になります。
実務目線でのクーポン運用Tipsまとめ
最後に、Stripeクーポンを安全かつ効果的に使うためのポイントをまとめます。
小さく試して検証する運用スタイル
最初から大きな割引を仕掛ける必要はありません。
- 割引率は控えめに
- 対象ユーザーは限定的に
- 期間は短めに
この「小さく試す」姿勢が、失敗を最小限に抑えます。
売上・継続率を見ながら調整する
クーポンの成果は、
申込み数だけでなく、その後の継続率も含めて見ることが大切です。
- 初回だけ増えてすぐ解約されていないか
- 割引終了後も継続しているか
こうした視点で数字を確認しましょう。
クーポンは「設計8割・設定2割」
Stripeの操作自体は難しくありません。
それ以上に重要なのは、
- 何のために割引するのか
- 割引後にどうなってほしいのか
を事前に考えておくことです。
セールで大切なのは、適切なタイミングと、無理のないディスカウント設計です。
商品そのものに魅力があれば、クーポンやセールは顧客の背中を押す強力な一手になります。
クーポンを戦略的に使いながら、売上アップを目指していきましょう。


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